オフィスチェアの寿命が近づくと、背もたれや座面にへたりが出はじめます。クッションタイプの座面なら、へこんだり固くなったりして、座り心地が悪くなり、メッシュタイプの背もたれ・座面の場合は、反発力がなくなっくてきて元の形に戻りにくくなり、最終的に破けます。また、ガス圧シリンダーが壊れた場合、座面の高さや背もたれの角度の調整ができなくなります。

 このように寿命と言っても様々ありますので、平均的な寿命年月が分かるような明確な指標となるものはありませんが、日本の高級オフィスチェアメーカーの多くが加盟している日本オフィス家具協会(JOIFA)という団体では、「JOIFA標準試用期間」というものを定めています。これは、経年変化による事故防止と安全に使用できる期間を示したもので「回転椅子」いわゆる「オフィスチェア」は、一日8時間程度使用した場合「8年間」と記載されています。

 つまり、JOIFAに加盟しているメーカーのオフィスチェアは、毎日8時間使い続けても、「最低8年間」は壊れないよう設計されているということです。

 ちなみに、このJOIFA加盟メーカーでは以下のように保証期間を設定しており、この期間・条件に該当する場合は無償で修理を受けることができます。

■JOIFA加盟メーカーの保証期間 (2014年1月調べ)
メーカー名 外観・表面仕上げ 可動部 強度・構造体
エルゴヒューマン
オカムラ
ウィルクハーン
メリーフェア
キールハワー
イトーキ
コクヨ
内田洋行
ライオン
その他
1年間 2年間 3年間

 また、ハーマンミラー・スチールケースといった海外メーカーの高級オフィスチェアの場合は、独自の長期保証が付いています。

■ハーマンミラーの保証期間
ガス圧シリンダー以外 ガス圧シリンダー
12年間 2年間
■スチールケースの保証期間
外観・表面仕上げ 可動部 強度・構造体
3年間 5年間 8年間

 ただし、このように長期保証を売りとした海外メーカーの本心は「12年以内ならどんなに故障しても修理しますよ」ではなく、「うちの商品は12年ぐらいじゃ故障しないよ」なんです。本当にたくさんの人が12年以内に故障を起こしていたら、メーカー側の負担は大変なことになります。めったに壊れない自信・データがあるから、こんな事ができるんです。

 だからといって、保証期間の短い日本メーカーのオフィスチェアはダメだと言うわけでもなくて、保守的な日本のビジネススタイルと言いますか…世界的に見ても高水準の日本メーカーの製品が、海外メーカーのオフィスチェアより寿命が短いなんてことはまずないと思います。

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